穴あきジーンズがカクテルドレスになるまで・・・

　小池さんと話した　次の日の朝、

　目覚めは最悪だった。


　昨日あんな言われ方をされてから

　いろいろ考えすぎたアンジェラは

　深い眠りにもつけず、

　いつの間にか　窓に朝日を感じていた。

（・・うわ　最悪。　眠れないまま朝になってるし・・・。）

　頭がぼーっとしていて

　起き上がれない。

　特に起き上ったって、ニートには

　なにもする事はない。



　だから結局

　また　お昼過ぎまで
　
　ゴロゴロしてしまっていた。



　『うらら！！　あんたまたいつまで寝てる気なの？！

　　ほんとによく寝れるものねー。洗濯物干すの手伝いなさい！！』


　（・・・うう～　またマミーが怒ってるよ。。。

　　　早く独り暮らししたなぁ。

　　　独り暮らしなら、自由でいられるのに。）

　
　　そう　考えながら

　　結局だらだらしている間に

　　マミーは洗濯物を干し終えてしまっていた。



　　（・・・あぁ・・私ってほんと　だめだなぁ・・・）


　　ニートの上に、実家にお世話になってる身分で

　　洗濯物も親に干させ・・・

　　金もないのに　独り暮らしを夢見て、

　　自由になりたいとか思っちゃってるし・・・

　　ほんとわがままだな。

　　
　　自分を責める材料は山ほどあった。



　　
　　アンジェラにはそのころ　突出した

　　才能があった。

　　それは

　　『自分で自分を責める』才能

　　まるで　心の中に

　　『裁判官』がいるかのようであった。

　　
　　もちろん。

　　本人はまだそれに気がついていなかった。


　　ミューはそれを知っていた。
　
　　ミューがアンジェラを後に救うことになった。

　　
　　ミューはアンジェラの心の中にいる

　　『裁判官』を追い出した。

　　それは　もうちょっと後の話になるが

　　それはジワリジワリと進行していった。

　　ダイエットのゲームも

　　ミューがアンジェラを挑発的に応対してきたことも

　　すべてが　計画に含まれていたこと。


　　
　　まず、心の中の『裁判官』を追い払うこと、

　　そして『心の奥深くにある　ブレーキを外す』こと

　　すべてがしっかりと計画通りに進行していた。