2007年09月19日
決断
「え・・・?」
アンジェラは一瞬凍りついてしまった。
(自分のために生きてない人・・・って・・・)
小池さんが言った言葉の意味が
理解出来なかった。
「まあ いいわ。とにかくアンジェラさん、
私からのアドバイスは 以上よ。
あと四日もあるじゃないの。
楽勝よ1.5キロなんて。
食べなきゃいいんだから。」
と 小池さんはちょっと笑いながら言った。
「食べなきゃいいって・・・そんな簡単に言わないでくださいよ。
体に悪いじゃないですか。」
アンジェラは冷たく言われた気がして
そう言い返した。
「あら、そう? で、あなたはダイエットしたいと思ってどれくらいたつの?」
と、小池さんは即座に聞き返した。
「教員をやめる前から 太り始めていたので、約1年半近く・・・です・・・。」
と アンジェラは答えた。
「そう。やせたいやせたいと思いながら不健康な生活を送っていた、1年半と、
断食4日とどっちが不健康かしらね。」
「・・・・・。」
「あのね、ミューから言われたと思うけれど、きっとまだあなたは
決断していないのね。
それも、心のどこかで、私がやりたかったんじゃなくて ミューにさせられてるって
責任転嫁があるんじゃないの?
これは もちろんただのゲームよ。
でも そのゲームで色々と学んで成長する人と、そうでない人の違いが
あるだけでも知ってほしいわ。
決断力って、最初から身についているものではなくて、
自分で身に付けていく事なのよ。
いらないものを捨てていく勇気も必要よ。
やる!と決めたらただやればいいの。
いちいち難しく考えるから 変な方向に意識がいくのよ。
私からの最後の一言。
『決めたならやりなさい!!』 以上 !」
そう言い放った小池さんに
何も返す言葉がなかった。
アンジェラはショックを通り越して 茫然としていた。
(ミューといい、小池さんといい、なんてひどい事をいうんだろう。)
なんだか自分がかわいそうに思えてきた。
茫然としているアンジェラをよそに。
「じゃあ、頑張ってね!」
と 小池さんは言って
電話を切ってしまった。
「・・・・はい・・・・。」
アンジェラの返事が
小池さんの耳に入っていたかは
わからない。
アンジェラの孤独な戦いがまた
幕を開けた。
(ダイエットするゲームで
ここまで私の人間性とか
いろんな事を否定しなくても・・・)
と、アンジェラは思っていた。
アンジェラはまだまだ
ミューや小池さんが言った 本当の意味を
理解できていなかった。
Posted by アンジェラ★777 at 17:21
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