穴あきジーンズがカクテルドレスになるまで・・・

吉野が顔をあげ

高木の目を見て

もう一度言った

『高木　頼む！』


ばちっと　目と目が合った瞬間

高木が

はっと

現実に帰ってきた



『・・・わかった。』

呆然としながら

高木は

静かに　吉野に

言った


無意識にそう答えていた


高木の目からは

長年　社長として戦ってきた

不自然な色は消えていた



ふっと　一人の中年の男性

そのまんまの目に変わっていた

それは

高校時代の吉野を見ていたときの

まなざしだった



でもそれは

誰も気がついてはいなかった



高木の心には　ある感情が湧いていた

「やっと　戻ってきてくれた・・・」

言葉にするとそんな　感じの感情だった

高木は自分がそう感じていることが

なんだか不思議だった



『よし、わかった。

　契約しようじゃないか』



高木は吉野の目をしっかりと見つめて

今度は

力強く言った。



Ａチーム　プラス　部長の目は

輝いた